京都国際ホテル

二条城前の歴史あるホテル

京都国際ホテルは京都観光の拠点としてとても動きやすいホテルである。

JR京都駅からは烏丸御池駅で地下鉄の乗り換えが必要なので、ターミナル駅とのアクセスは難があると感じるかもしれない。

しかし、それもわずか一駅のこと。

京都洛中は狭いのであっという間に目的地についてしまう感じがする。

二条城前駅で降りて階段を上がると、押小路通に出る。

ちょうど二条城の南側を東西に走る通りである。

二条城の東側には南北に堀川通が走っている。

押小路通の交差点を渡り、堀川通沿いに北上するとものの2分も歩けば、道路向かいに「京都国際ホテル」が見える。

外観は二条城の雰囲気が漂っている。

京都ならではなのだが、この「京都国際ホテル」の敷地は実に由緒のある歴史を持っている。

平安時代にあっては、この地に関白藤原基経(836-891)が造営した大邸宅があり、堀河院と呼ばれていた。

この邸宅は主に公式な行事のため用いられ、ここで宴会が催されたときなどには、公卿たちの牛車がずらりと堀河の東側に立てられ、その牛は二條堀河の橋の欄に繋がれていたと言う。

またこの京都国際ホテルは福井県ととても縁が深い。

鎌倉時代、日本曹洞宗の開祖で福井にある永平寺を開いた道元禅師の育父源通具の邸があったところなのである。

さらにこの京都国際ホテルがある油小路二条下ル西側の一帯は江戸時代後期、福井藩の藩邸があった。

福井藩士で幕末の志士橋本左内も安政五年(1858)二月から四月まで、この地にあった福井藩邸に居住して活躍した。

また三井家居宅跡があったことも付け加えたい。

三井家は、徳川の初期の1673年、伊勢松坂から京都に上がり、三越の前身である「越後屋呉服店」を開店、以来昭和30年(1955年)まで居を構えていたのである。

そのようなことも記憶にとどめながら、ホテル内の庭園に立つととても趣き深いものだ。

部屋の窓には障子がはめられていて、障子を通して部屋に入る昼の明るさが生成り色に和らいで心地よい。

宿泊料金は、とてもリーズナブルだ。やや古いこともあるが、十分な快適さである。

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