京都嵯峨野「老松」

京和菓子の老舗

京和菓子の老舗「老松」にぶらりと立ち寄り、お薄と桜餅のお茶。数ある和菓子の中でも、桜餅の人気は揺るぎないものがある。作るのに手間がかかる日本の砂糖、和三盆糖。白砂糖なら遠心分離器で精製するのにものの1時間もあれば十分なところ、和三盆糖は人の手のみで、何と5日もかけるのだ。それだけに、小豆餡などと合わせるとあのような甘みの出方になる。甘みとはこれでござい、というようなこれみよがしではなく、素材の持つ甘みを感じさせつつのふわっと漂い来る奥ゆかしい甘さ。人もお菓子も、こういう控えめさが粋(いき)である。

午後の柔らかい日が差し込む嵯峨野の「老松」には、時間がゆったりと流れていた。

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