京都「じき宮ざわ」

和食料理店の新しいきら星

京料理、あるいは懐石料理は、くっきりとした四季の美しさを皿や鉢の中に再現した日本料理である。茶席はお茶だけでなく酒を伴う食事も供して客をもてなすのだが、その深いもてなしの意気がこの「じき宮ざわ」には感じることができる。

 どの料理も一品毎に複雑な奥ゆかしさが感じ取れる。

 米飯は炊きたてを出すだけにとどまらない。新端(にいばな)と呼ばれる微かに芯のある一膳目から三膳目へと、土鍋の中で蒸れて次第に変化していく米の美味しさを味わえる出し方はまさに茶の湯の作法そのものだ。予約が取れにくい名店である。

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